top of page
  • 執筆者の写真バイタイム_西村 昭二

【結論】SEOを「LPを量産すること」と捉えることで生まれる新たな戦略

更新日:2023年3月22日

総合広告代理店時代、その重要性を認識しながらも、サラリーマンとして重要な「効率性」の観点から、17年にわたって著者が避けてきたものがSEOである。幸いなことに総合広告代理店にしては珍しく様々な広告主のリスティングを扱う機会には恵まれ、リスティングの知見はストックしていたが、SEOについては実感を持って方程式化することができていなかった。「広告トータルプランニング会社」である当社を設立して半年間は、自らへの戒めも含めて、毎日2記事を投稿しており、SEO投稿開始から3か月で90記事を突破した。しかしながら、「まったく大変ではない」と今では考えている。そして、なぜリスティングよりもSEOを重視しているかは、「SEOはLPを量産すること」だと考えているためだ。本稿ではこの点について説明していく。


目次:SEOを「LPを量産すること」と捉えることで生まれる新たな戦略


認知と記憶の特性から検索連動型プロモーションを考察

総合広告代理店時代にも意識していたことなのだが、人は「興味がない情報」には反応しない。認知から興味がわくことは極めて少なく、いかに「今」興味がある人にリーチするかが重要であった。さらに、これも「広告代理店の忘れ物「人は忘れる生き物」」で説明しているが、「忘れてしまう生き物」である人に対して、「興味を持った瞬間」にいかにアプローチできるかが重要なのである。これが今世間で言われている「ナウマーケティング」の正体だ。その検索広告市場でも、SNSの登場が一巡し、定着したことで、今では検索目的に応じてプラットフォームを変えるようになっている。単純検索であればGoogle、ユーザー検索であればInstagram、お得情報・裏情報であればTwitter、買うものが決まっていればAmazon、というように、明らかに目的が分かれている。当社はB2Bビジネスとなるが、今はまだB2Bの検索プラットフォームはGoogleである。仕事に関わる情報検索の際にはGoogleを開き、そこで広告主はリスティングかSEOという手段を用いてターゲットに接触するのである。


Google検索におけるリスティングとSEOを時間軸で考察

SEOは効果が出始めるまでにとにかく時間がかかる。Googleがドメインを評価する指標は明確には公示されていないが、よく言われるドメイン評価指標の「ドメインオーソリティ―」での評価項目は、ドメインエイジ、コンテンツ量、更新頻度、コンテンツの質、などと言われている。当社もドメインを取得したのが2021年4月であったため、ようやくドメインエイジが1歳になった状態である。とはいえ、年齢で言えばいわゆる「赤ちゃん」であることに変わりはない。議論が分かれる部分もあるが、ドメインエイジがサイト全体の評価に与える影響は大きいというのが著者の見解だ。当然、1歳の当社ドメインでは、一つ一つのページ評価についてもインデックスされてからクエリに引っかかりだすまでに時間も要する。これを見て、SEOの方が、時間がかかると思ってしまいがちだ。対して、リスティングは入稿して審査さえ通れば、即座に検索時に露出することができる。しかしながら、リスティングはアカウントを開設し、キャンペーンを作り、広告グループを分け、広告文を作成し、購入キーワードを選び、入稿する。そのために適したLPも作っていく。LPの構成を決め、文言とデザインを確定し、仕上げていく。検索時に掲載されるという「露出効果」までの時間は短いが、制作プロセスや媒体審査を鑑みると、著者は「リスティングの方が遅い」と考えている。この点は意見が分かれることであろう。



ページデザインがLPほど必要ではないSEOコンテンツ

制作工程にフォーカスを充ててSEOとリスティング用LPを見ていく。LPについてはGoogleが伝えているように、シンプルな構造が「品質スコア」につながるポイントである。よって、きちんとデザインを行う必要がある。つまりは、「見た目」が非常に重要なのだ。一方、SEOは検索者が求めている情報が内包されていることの方が重視される。そこではLPほどのデザイン性は必要ない。検索者が求めている情報がわかりやすく掲載されていれば良いのだ。つまり、SEOにはLPほどのデザイン性は求められない。文章の構成と文章さえあれば成立するのだ。この点でもSEOに製作のしやすさという点で軍配が上がる。


量産しづらいLPと量産しやすいSEO

リスティング用LPについては広告キャンペーンごとの設計が必要であり、上記のように「シンプル」を徹底するなら、いくつものLPが必要になる。しかしながら、デザイン性を一つ一つ担保するとなると現実的には量産が難しくなる。対して、狙いたいキーワードごとに記事を作るだけのSEOは量産が可能である。著者も毎日1本ずつ記事を制作できたが、LPであったら毎日1つずつの用意は不可能であっただろう。この点も著者がSEOをリスティングよりも重視する理由である。


資産化することが可能なSEO記事

これはLPというよりはリスティングが主語になるが、SEOは「Web上の資産」とすることもできるが、LPはリスティングの実施をやめてしまったら意味がなくなる。もちろん、ブランドサイト内にコンテンツとして組み込むことも可能ではあるが、元々リスティングとの連動のために作成したLPである以上、そのままブランドサイトに組み込むことはできない。つまり、基本的には資産化できないのだ。この点も、著者がSEOを重視している理由である。



広告トータルプランニング会社」である当社を設立したものの、著者もまだまだSEOのテクニカルな部分については素人であると自認している。しかしながら、これまで培ってきた「マーケティング視点でプロモーション戦略を立案すること」についてはSEOにも十分に活かせると感じている。逆に、データやツールからSEOをとらえるのではなく、マーケティングの視点でSEOをとらえた時に、このSEO市場はまだまだ開拓の余地があるとも感じている。今後、プロモーションで欠かせないSEOがどうなっていくのか、楽しみである。

bottom of page