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  • 執筆者の写真バイタイム_西村 昭二

広告視点から見た成長するビジネスの方程式

更新日:2023年3月23日

失われた30年という中において、著者は17年にわたり、極めて幸運なことに総合広告代理店の営業として数多くの「成長ビジネス」に伴走してきた。業種業態の違い、規模の違いはあるが、実は共通する3つの要素があった。この3つの共通項について、本稿では説明していく。


目次:広告視点から見た成長するビジネスの方程式


通信、プロテインなど、業種業態には無関係な成長法則

総合広告代理店として働いた18年の間に、数多くのビジネスを担当してきた。導入期のものも、衰退期のものもあった。導入期のものであれば、きちんと成長期にいざなえるのか、持続的な成長を実現できるのかが、著者の貢献領域であったし、衰退期であればプロモーションによってV字回復させることができるのかが責務であった。その中で、業種業態、規模に関わらず、「成長を実現できるビジネスには共通項がある」と、15年以上たって方程式化することができるに至る。それでは、その3つの共通項について、以下にて説明する。


成長への3つの共通項は「引き算」「合意」「スピード」

大企業になればなるほど、ステークホルダーも多く、それぞれの立場も異なるため、「足し算」をするようになる。いや、今やスタートアップ企業も「足し算」でビジネスを行っているケースも多いのではないだろうか。しかし、成長を遂げたビジネスはその企業規模に問わず、「引き算」が極めて得意であった。これを1つ目のポイントとして挙げたい。2つ目のポイントは、「合意」である。ひと昔前から、「シェアドビジョン」と呼ばれ、チームメンバーとミッションやビジョンを策定することが多くなったが、これは極めて大切である。重要なのは、社外メンバーも含め、同じ視座に立ち、同じ市場を見つめ、同じ敵をにらみ、全員が相違なく同じ矛先に進むことである。つまり社内外「合意」が大事ということである。最後の3つ目に「スピード」である。この重要性は言うまでもなく、「引き算」及び「合意」がなされて初めて成立するので、本稿では割愛する。




「引き算」「合意」こそ、キードライバーになる

スピーディにビジネスを展開する際に、最も大事なのは「引き算」と「合意」である。プロモーションにおいても、シンプルな訴求に勝てる武器はない。これは「引き算」によってなせるわざである。そして「合意」についても、関与者全員が同じ目的で邁進することでビジネスを成長させていくため、忘れ去られやすいが、極めて重要な点である。


「引き算」「合意」を実現する「法典づくり」

実は、この2つを実現させるのは「法典づくり」であると著者は考えている。「法典」を関係者全員で作り上げる過程で、優先順位の低い訴求はそぎ落とされ、「引き算」されてシャープな訴求点が残っていく。さらに、「法典」を全員で作り上げること自体が、「合意」形成を前提に行われるため、法典が出来上がるころには全員に「合意」が形成されていることになる。「引き算」ができ、全員が「合意」できるプロセスがありさえすれば、「法典」はマストではないかもしれないが、私が関与した成長ビジネスは皆こういったプロセスを踏んでいたのは確かである。



法典づくりのためのワークショップ

こういった経緯から、著者は法典づくりの重要性を感じ、「BRAND PALETTE」を開発した。単なるブランドのフレームワークではなく、ワークショップで用いるカードもセットで成り立つものである。この点は「広告アイデア出しのための「ブレスト」にもっとも必要なこと」でも説明している。法典づくりのためにはマストではないが、成長ビジネスの方程式を見続けた結果多くの企業に成長の方程式を提供したいという思いが極めて強かったのだ。


「引き算」「合意」「スピード」のどれも意外性はないかもしれない。しかし、特に「引き算」は常に判断が付きまとうため、実現が難しいと考えている。「広告トータルプランニング会社」である当社でも、「引き算」「合意」「スピード」が担保できるビジネスのフレームを構築し、世の中に成長ビジネスだけがあふれることを、著者は切に望んでいる。

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