広告代理店といえば、クリエイターのイメージが強い方も多いと思いだろう。17年間総合広告代理店で働いていた著者からしても、その強すぎる個性が頭にこびりついて離れない。多種多様なキャラクターがいて、常識的にクライアントと会話できる人間ばかりではなく、営業やその他スタッフも一苦労するなどはざらにあった。正しいクリエイターも多々いるが、そうではなく本稿では、著者の記憶に残っているクリエイターを4つのタイプに分けて説明する。
目次:面白い人が集まる「広告代理店のクリエイター」
タイプ①アイデアなのか無関係なのか
広告クリエイティブに対して、クリエイティブジャンプやアイデアジャンプなどの飛距離を争う競技でもあるのかと思うほど、ブレストなどで「ジャンプ」という言葉は頻出する。その中で、全く広告テーマと無関係なアイデアを意気揚々と誇らしげにプレゼンしてくる元大御所は数多く存在した。しかも、その元大御所にあこがれている、若手もいる。昔と違い、TVだけではない今の広告媒体環境においては、その突拍子もないアイデアは当然クライアントから採用されることはないのだが、不採用となった後も「クライアントが広告のことをわかってない」と陰口をたたいたりする方もいらっしゃった。
タイプ②おしゃれなのか奇抜なのか
特にデザイナーに多いが、デザインを提案する以上ある程度ファッションセンスが必要なものの、全く理解できない格好をしたクリエイターも存在した。クライアントにデザインを提案するとき、その服装が奇抜すぎて、クライアントからすれば、「きっと自分とこの人の感性や常識は合わない」と思われてしまい、「もう少し商品に近いものをお願いします」と言われがちになる。実際は商品トンマナと合っているのに、服装でそう思われてしまうケースが散見できた。
タイプ③怒りっぽすぎる
ずっと誰かに対して怒っているクリエイターもいた。営業に対して、ストラテジックプランナーに対して、メディアプランナーに対して、製作プロダクションのプロデューサーに対して、と、よくも飽きずにこんなにもずっと怒ってるな~と感じたものだ。CM撮影現場で、ケータリングのうちの一つに自分の苦手な食材が入っていただけでプロデューサーの首根っこをつかんで何時間も説教し、そのせいで撮影が押してしまったことも。
タイプ④元大御所だけどやる気がなさすぎる
かつては、映像制作は一部の人に限られた特殊技能だったが、今はSNSなどで簡単に誰でも動画編集ができる時代。その中で営業が描くよりも辻褄があっていない、クライアントでも5秒で思いつくことを平気な顔してプレゼンをする元大御所もいた。結果的に、プレゼン後に、クライアントから「あの人を外してくれ」と言われることになるのだが。。。
以上、著者の記憶に残っている個性は広告クリエイターを4タイプに分けて説明してきたが、まだまだ数多くのタイプのクリエイターが存在する。18年勤めた総合広告代理店を辞め、「広告トータルプランニング会社」である当社を設立した著者としては、皆様がどんなタイプのクリエイターに出会うのか、そして必ず楽しみながら広告制作に臨むことをお勧めする。
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